ひよこ。

あるところに、少し変わったひよこがいました。
そのひよこは太陽に恋をしていました。
いつか太陽の側まで飛んでいきたいと思っていました。
けれど、しょせんはひよこ。
空を飛ぶ事なんてできません。
それでも、何度も何度も飛ぼうとしました。
兄弟にばかにされても、いじめられても、くじけませんでした。
そんなある日。
ひよこは1羽のすずめに会いました。
「どうすればそんな風に飛べるぴよ?」
「最初は高い木の上から落とされたんだちゅん。」
その話を聞きひよこは高いところに行くことにしました。
すずめに言われたとおりにそこから落ちてみようと思いました。
そしてひよこは軽く地を蹴って飛び降りました。
けれど、やはりひよこはひよこ。
当然のように飛べませんでした。

次に気が付いたとき。
ひよこは宙に浮いていました。
ふわふわと。
最後の最後にひよこの望みは叶ったのでした。

 

高2の時、授業でつくることになった絵本の没ネタ。