昔話と言われるほど遠い過去の願い。 いつかの未来、きっと同じことが起きる。確信にも似た思い。 「おそらく阻止することは出来ない。けれど、」 剣に願いを込めた。また危機に襲われるであろうこの国のために。 起こることを阻止出来なくとも、手遅れになる前に誰かが止めてくれるように。 多くの民が勇者の姿を目に焼き付けようと集まる広場で、勇者はその剣を突き立てた。 その『誰か』が自らの力に気がつけるように。 勇者は声高らかに民へと告げた。 それはこの国に古くから伝わる伝説。
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